社内報(まごころこみゅにけーしょん)より

Founderより

●12年9月1日号

ありがとうございます。
京都大学名誉教授の池上惇氏によれば、経済学とは、「人が一定期間、働いて得た収入をいかに有効に使うかを考える学問である。有効に使うとは、自己を高めるために、消費ではなく“投資”すると考えよう」と。

昨今、衣食住の消費生活において、経済至上主義即ちコスト最優先、低価格礼賛の世情である。しかし、「食」においては、消費というより、投資なのだと考えることこそ必要であろう。なぜなら、自動車のエネルギー、ガソリンならば確かに安価がいいだろう。しかし「食」は生命体としてのエネルギーだけではなく、身体細胞そのものを日々新たに創り替えており、体組織形成に必要不可欠なものである。まさに投資であろう。

考えれば、こんな当たり前のことが国民・生活者は行動として理解していない。偏ったグルメ番組やバナナや塩麹に見られるフードファディズムなど、メディアも正論を伝えない。食に関わる多くの団体や組織も、放置したままである。
「食」に関わる全ての人が、この真理を自ら実践し国民に広く訴えて行くべきであろう。
何年いや何十年掛かっても「食は投資」との思いを伝えていきたいものである。
私の関わる日本惣菜協会や日本栄養士会の有志とも、そんな思いを語りあっている。

さて、そんな思いの上で、価値ある食をお値打ちに提供することが、私たちの宿命でもある。無駄排除へ必死の努力をせねばならない状況が押し寄せている。
その一つが、2014年から8%、2015年10%への消費税引き上げ法案の成立である。小売価格への転化は可能なのか。おそらく否であろう。現在398円の商品は、決して418円にはならない。消費不況の中で、強者ほど価格訴求攻勢を強める、398円以下はあっても転化は絶対できない。従って少なくとも5%の無駄排除は必須である。

2つ目、食品表示の一元化の案が固まってきた。特に、栄養価表示も原則義務化となる。
もちろん5年(?)の導入猶予期間が設けられようが、大手企業は即時に徹底施行するだろう。そんな中で、実施不能な企業や、誤表示した企業は、消費者からの信頼を大きく損なう可能性がある。大きな負担ではあるが、遂行必死である。

「食は投資」に応えられる品質と増税分を吸収できるお値打ち価格、表示の高水準能力の強化等の荒波を、自己改革のための天与のチャンスと捉え、キラリ輝く人生の場づくりをめざそう。