Founderより
●12年7月1日号
ありがとうございます。
5月23日の総会で、社団法人日本惣菜協会の会長に選出されました。中食・惣菜や関連企業の全国組織です。
デリカスイトが日本の食産業のトップ職を担わせて戴くに至りましたのも、社内外の皆様の支えがあってのこと、ご協力をお願いします。就任のスピーチを掲載させていただきます。
「あらとうと 青葉若葉の 日の光」
ありがとうございます。先程の総会におきまして、社団法人日本惣菜協会の会長に選任されました、株式会社デリカスイトの堀冨士夫でございます。
地方にある小さな会社の私が大役を仰せつかり、恐縮しております。
石田会長の後任ということで大変重い責任を感じているところでございます。皆様方のお力添えをひとえにお願いする次第でございます。
今や惣菜の市場規模は８兆円を超え、多くの産業が低迷する中、前年比2.9％増と堅調に推移しています。これは、惣菜産業が、高齢化・個食化が進む中で、国民の「食のインフラ」として高い支持を受けていることの現れとして、その期待にこたえるべく、更に生活者視点にたつことの必要性を痛感しているところであります。
昨年3月の東京電力福島第一原発事故による放射性物質問題では、「安全基準」や「産地表示等」について情報に混乱が生じ、現在も生活者に対し大きな不安を与えています。
また、食の外部化がますます進み、それに伴い生活者の目は一段と厳しくなり、食品に求める品質も、情報も高度なものになっています。このような状況の中で、生活者のニーズに応えるためには、生活者、企業双方向の情報交換が必要と感じ、その役割を当協会が果たしていきたいと考えています。
本年は、惣菜管理士資格制度創設２０周年にあたります。「惣菜管理士」は、当協会の先人達が惣菜産業の人材育成を目的に創設した制度であります。現在では14000人の惣菜管理士が食品業界で活躍しています。
また、日本惣菜協会では店頭で生活者へ対応する方々を対象とした、新たな教育事業としてデリカアドバイザーの育成を推進してまいります。
昨年より始めましたホームミールマイスター事業も一般の生活者へ拡大してまいります。3つの教育事業が日本の食生活をより一層豊かにし、作り手と生活者の相互の人材育成に取り組んでいく所存です。
石田前会長におかれましては、９年という長期間にわたり惣菜産業の発展にご尽力いただきました。その間、惣菜産業は飛躍的に成長し、同時に社会的責任と生活者の期待が大きくなって参りました。協会の事業も、「惣菜管理士のいる店店頭表示」や、惣菜・弁当（持帰り）の情報提供ガイドラインの策定等、生活者の期待に応える事業へとシフトしてまいりました。私もそれら引き継ぎ微力ながら全力で進みたいと存じます。
冒頭に、松尾芭蕉の句（323年前の元禄2年4月1日丁度今頃なんですが）を詠ませて戴きましたのは、この句が本総会の新たな1年をことほぐ今日に相応しいかなと思ったことと、私の住む岐阜県大垣市が「奥の細道むすびの地」であることをご紹介させていただく次第です。
もう少し、PRさせて戴きますと、大垣は地下200メートルから13℃の水がこんこんと湧き出でる「水の都」「スイト」とも呼ばれており、私の会社名もそんな関係で「デリカスイト」となっております。
「奥の細道むすびの地」の故に私自身、「芭蕉元禄のまち」あるいは「おいしいおおがき」というまちづくりを商工会議所や観光協会活動として汗しておる次第です。
数年前に京都大学大学院に3年ほど通い、研究生論文として「郷土力を活かした中心市街地のまちづくり」も出版しましたし、地域2大学で地域経済学と食健康学で教壇にも立っております。
惣菜業を始めるにあたり、当時は惣菜管理士制度などありませんでした。止む無く管理栄養士の資格や販売士1級を取った経緯もございます。
一昨年、石田会長から、管理栄養士もいいが、惣菜管理士の資格を持たねばだめだ！と厳命を受け、昨年2級に合格・本年1級にチャレンジの身でございます。
公言して落ちたら見っともない・・・ここだけの内密にしておいて下さいね。
こうした立場や、地方の惣菜企業の悩みを充分に抱えている私です。「地域や健康の視点」からの発信も多いにしていきたいと考えています。
と、共に「Ｓ・Ｏ・Ｕ・Ｚ・Ａ・Ｉ」あるいは物の下に心＝「惣菜」という「アルファベット」や「漢字」が、グローバルに認知され広がることも大きな役割と感じております。
惣菜業界に目を向けると、食品表示一元化を始め、パート労働者の社会保険適用拡大や消費税の問題等、業界一丸となって取り組まなければならない問題が山積しています。中食業界の中核団体として、農林水産省、消費者庁等の行政と連携しながら、業界の実態を反映した意見の提言を行ってまいりたいと存じます。
本日は日本惣菜協会の懇親会にお越しいただき、まことにありがとうございました。かくも盛大な会になりましたことを心より御礼申し上げます。最後に、皆様と会員各位に絶大なるご協力のほどを、重ねてお願い申し上げ、会長就任にあたっての挨拶とさせていただきます。
